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ブログ
1.152020
都道府県・市町村の行う指導 〜障害福祉サービス事業が受ける集団指導・実地指導〜

目次(もくじ)
都道府県や市町村から障害福祉サービス事業者が指導や監査を受ける目的
以下の2点が目的となります。
・障害福祉サービス事業者の自立支援給付に関する業務の適正かつ円滑な実施
・障害福祉サービス事業者の法令等に基づく適正な事業実施の確保
この2点に基づき、都道府県や市町村が実施する指導監査に関する「指定障害福祉サービス事業者等指導指針」「指定障害福祉サービス事業者等監査指針」が定められました。
参照
指導指針の目的
障害福祉サービスの質の確保及び自立支援給付の適正化を図ることが目的とされています。
指導指針の定める手段
以下の2点の手段を用いて質の確保、給付の適正化を図っています。
①市町村が障害福祉サービス事業者に対する自立支援給付に関する文書の提出等
②都道府県知事が自立支援給付に関して必要があると認めるときに、障害福祉サービス事業者に対する自立支援給付費に関する調査、質問等について基本的事項を定める
障害者総合支援法
第10条 市町村等は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、当該自立支援給付に係る障害福祉サービス、相談支援、自立支援医療、療養介護医療若しくは補装具の販売、貸与若しくは修理(以下「自立支援給付対象サービス等」という。)を行う者若しくはこれらを使用する者若しくはこれらの者であった者に対し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該自立支援給付対象サービス等の事業を行う事業所若しくは施設に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。2 前条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。第11条 厚生労働大臣又は都道府県知事は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、自立支援給付に係る障害者等若しくは障害児の保護者又はこれらの者であった者に対し、当該自立支援給付に係る自立支援給付対象サービス等の内容に関し、報告若しくは文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、自立支援給付対象サービス等を行った者若しくはこれらを使用した者に対し、その行った自立支援給付対象サービス等に関し、報告若しくは当該自立支援給付対象サービス等の提供の記録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させることができる。3 第九条第二項の規定は前二項の規定による質問について、同条第三項の規定は前二項の規定による権限について準用する。
合わせて押さえたい
自立支援医療費の精神通院医療に係る支給は都道府県が実施しています。
市町村の行う指導の種類
集団指導
都道府県知事又は市町村が下記の場合、一定の場所に集めて講習等の方法により行う指導
・障害福祉サービス事業者等に対する指導が必要な場合
・自立支援給付に関して必要があると認める場合
集団指導を実施した際は、①②をそれぞれ実施します。
①都道府県は管内市町村に指導内容の周知
②市町村は都道府県に対し指導に関する情報を提供
実地指導
都道府県又は市町村が下記の場合、障害福祉サービス事業者の事業所において行う指導
・障害福祉サービス事業者等に対する指導が必要な場合
・自立支援給付に関して必要があると認める場合
市町村の行う指導の対象者
重点的かつ効率的な指導を実施するため、以下の基準に基づいてそれぞれの指導の対象者を決定します。
集団指導
・新たに障害福祉サービスを開始した障害福祉サービス事業者は概ね1年以内に全てを対象として実施
・障害福祉サービスの取扱い、自立支援給付に係る費用の請求内容、制度改正内容及障害者虐待事案をはじめとした過去の指導事例等に基づく指導内容に応じ選定して実施
実地指導
・障害者支援施設については概ね2年に1度実施
・その他の障害福祉サービス事業者については概ね3年に1度実施
・その他特に都道府県又は市町村が一般指導が必要と認められる障害福祉サービス事業者を対象に実施
市町村の行う指導の方法
集団指導
①都道府県及び市町村は、指導対象となる障害福祉サービス事業者を決定した時は、あらかじめ以下を定めた文書を事業者に通知します。
・集団指導の日時
・集団指導の場所
・集団指導の出席者
・集団指導の内容等
②集団指導は、障害福祉サービスの取扱い、自立支援給付に係る費用の請求の内容、制度改正内容及び障害者虐待事案をはじめとした過去の指導事例等について講習等の方式で実施されます。
欠席した障害福祉サービス事業者には、当日使用した資料を送付する等、情報提供に努めます。
実地指導
①都道府県及び市町村は、指導対象となる障害福祉サービス事業者を決定した時は、あらかじめ以下の事項を文書により事業者に通知します。
・実地指導の根拠規定及び目的
・実地指導の日時及び場所
・指導担当者
・出席者
・準備すべき書類等
ただし、虐待が疑われている等の理由により日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に上記の事項を文書により通知します。
②実地指導は、各サービスにおいて定められている「主眼事項及び着眼点」に基づき、関係書類を閲覧し、関係者からの面談方式で実施されます。
非常災害対策の非常災害には火災だけでなく、水害・土砂災害等の自然災害も含みます。
③実地指導の結果については、改善を要すると認められた事項について、後日文書によって指導内容が通知されます。
④都道府県又は市町村は、障害福祉サービス事業者に対し、文書で指摘した事項に係る改善報告書の提出を求めることになります。
監査に切り換わる要因
実地指導中に以下に該当する状況を確認した場合は、実地指導を中止し、直ちに「指定障害福祉サービス事業者等監査指針」に定める監査が始まります。
・著しい運営基準違反が確認され、利用者及び入所者等の生命又は身体の安全に危害を及ぼすおそれがあると判断した場合
・自立支援給付費の請求に誤りが確認され、その内容が著しく不正な請求と認められる場合
合わせて押さえる
市町村が指導を実施した場合は、都道府県に対して指導結果の通知及び改善報告書の内容について情報の提供と共に、できる限り利用者保護の観点から内容が開示されます。
最後に
集団指導と実地指導では、確実に実地指導の労力がかかります。障害福祉サービス事業者は普段から適正な運営を図られていると思いがちですが、法改正の内容等も指導内容に入ってきています。
毎年、報酬改定や法改正のチェックをしていくことが大切になります。
滅多に実地指導から監査に切り換わることはないかとは思いますが、監査に切り換わる基準も知っておくとこの先の事業運営に役立ちます。
次回は監査について投稿致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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