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4.302020
障害福祉サービス等処遇改善計画書の作成 〜賃金改善見込額・平均賃金改善額の計算〜

目次(もくじ)
障害福祉サービス等処遇改善計画書の作成
福祉・介護職員処遇改善加算や福祉・介護職員等特定処遇改善加算の取得を目指す障害福祉サービス事業者は処遇改善計画書の作成をする必要があります。以下の3点を作成します。
・基本情報入力シート
・施設・事業所別個表
・総括表
提出する必要のあるものは施設・事業所別個表と総括表の2点です。まずは基本情報入力シートについて説明致します。
基本情報入力シート
処遇改善計画書の作成のために、まず法人の概要を入力します。入力内容は以下の通りです。
・法人名称
・法人住所
・法人代表者
・書類作成担当者
・連絡先(電話・FAX・E-mail)
・加算対象事業所情報(障害福祉サービス等事業所番号、指定権者名、事業所の所在地、事業所名、サービス名、1月あたりの障害福祉サービス報酬総単位数、1単位あたりの単価)
これらを入力することで後の施設・事業所別個表や総括表に反映されますので、1番初めに入力して下さい。1月あたりの障害福祉サービス報酬総単位数の確認のために体制届の添付が必要となります。
加算対象とならないサービスに関しては入力する必要はありません。対象とならないサービスは就労定着支援、自立生活援助、地域相談支援、計画相談支援となります。
施設・事業所別個表
こちらの施設・事業所別個表は今年度に取得予定の福祉・介護職員処遇改善加算、福祉・介護職員等特定処遇改善加算に関する情報を入力します。入力内容は以下の通りです。
・新規・継続の別(加算取得が新規か継続かの確認)
・算定加算の区分
・算定対象月
加算区分を変更する場合は、新規・継続の別欄に「継続」ではなく、「区分変更」と入力して下さい。特定処遇改善加算Ⅰの取得をする場合は、配置等要件の確認のためにも、体制届の添付が必要になります。区分変更される場合は要件の適合状況の変更にあたりますので、処遇改善加算変更届の提出も忘れないようにしましょう!
関連記事:取得要件 〜配置等要件〜
総括表
賃金改善見込額の計算
施設・事業所別個表で入力した処遇改善加算の見込額を基に賃金改善の見込額を計算します。この見込額を計算するために前年度の賃金総額を入力する必要があります。賃金総額を計算するためには以下の内容を入力する必要があります。
・前年度の賃金の総額
・前年度の処遇改善加算の総額
・前年度の特定加算の総額
初めて処遇改善加算や特定処遇改善加算を取得される障害福祉サービス事業者は加算の総額は割愛できます。前年度の時点で既に処遇改善加算を取得されている場合は前年度の賃金総額から前年度の処遇改善加算総額を引いた額が賃金改善見込額の基となる前年度の賃金総額となります。今年度の賃金総額を入力する場合は前年度の賃金総額を上回る額とする必要がありますので、忘れないようにしましょう!
処遇改善加算と特定処遇改善加算を合わせて取得される場合は処遇改善加算に係る賃金改善見込額の計算を「経験・技能のある障害福祉人材」と「他の障害福祉人材」の見込額を計算する必要があります。処遇改善加算は福祉・介護職員が対象となっており、「その他の職種」に関しては処遇改善加算の対象になっていないためです。少し計算がややこしくなりますが、対象の違いによりこのような計算となっております。
平均賃金改善額の計算
平均賃金改善額の計算は特定処遇改善加算を取得する場合に必要になり、前年度の賃金総額を基に計算します。「経験・技能のある障害福祉人材」「他の障害福祉人材」「その他の職種」毎に前年度の賃金総額を入力した後に、それぞれのグループ毎に前年度の常勤換算職員数を入力します。これらを入力することで各グループの前年度の平均賃金額が計算されます。
前年度の常勤換算職員数を12で割ることで1月あたりの常勤換算職員数が求められます。グループ毎の平均賃金改善額は今年度の特定処遇改善加算の見込額を前年度の1月あたりの常勤換算職員数で割り、さらに賃金改善実施期間で割ることで今年度の平均賃金改善額が計算できます。
特定処遇改善加算の取得条件の1つに「経験・技能のある障害福祉人材」グループの1人以上がこの平均賃金改善額が8万円以上となること又は年額440万円以上となることが条件となっております。「経験・技能のある障害福祉人材」グループにのみ特定処遇改善加算を割り当てる場合は8万円以上とすることが求められます。さらに、年額440万円以上となることを選択した場合には以下の条件も満たす必要があります。
・「経験・技能のある障害福祉人材」グループの平均賃金改善額が「他の障害福祉人材」グループの平均賃金改善額の2倍以上
・「他の障害福祉人材」グループの平均賃金改善額が「その他の職種」グループの平均賃金改善額の2倍以上(その他の職種グループの平均賃金額がその他の障害福祉人材の平均賃金額を上回る場合)
・その他の職種の賃金改善後の賃金見込額が年額440万円を上回らない
特定処遇改善加算の取得条件となる平均賃金改善額8万円以上又は年額440万円となる者の人数も入力します。もし1人もいない場合であっても、下記の理由のいずれかに当てはまる場合は特定処遇改善加算の取得が認められます。
・小規模事業所等で加算額全体が少額である
・職員全体の賃金水準が低く、直ちに月額平均8万円以上に賃金を引き上げることが困難
・処遇改善計画の賃金改善を実施するにあたり、これまで以上に事業所内の階層や役職に求められる能力や処遇を明確化することが必要であり、規定の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する 等
体制届の添付が必要な理由
作成した障害福祉サービス等処遇改善計画書の内容が適合しているか確認をとるために必要となります。4月時点に提出した体制届には従業員の勤務形態一覧表や加算取得状況の一覧表も添付するので、加算見込額は処遇改善加算を除いた各加算を加えた報酬額を基に計算したり、賃金改善額の計算に常勤換算職員数が必要になりますので、体制届の添付により処遇改善加算の不正取得を防ぐ目的もあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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