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医療的ケア児 〜子どもと家族を地域で支えていくために〜

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医療的ケア児ってどういう子どものことなの?

 

 

日常生活を送る上で医療機器による医療的なケアが必要とする子どものことです。

 

医療的なケアの具体例

・身体に気管切開部がある

・人工呼吸器を装着している

・痰の吸引が欠かせない

・在宅酸素療法を受けている

・胃・腸などから経管栄養を受けている 

 

上記はあくまで例であるため、実際の医療的ケアの内容はそれぞれの疾病や病状に応じて異なっています。

 

 

医療的ケア児を誰がケアしているの?

 

自宅で過ごす医療的ケア児のケアは主に家族が担っています。

医療的ケア児の多くが、出生後、手術や経過観察を経てNICU(新生児集中治療室)から退院しますが、退院後の生活場所は、子ども自身の身体状態と家族の状況によって、自宅で過ごすか、医療型障害児入所施設の利用のどちらかを選択することになります。

しかし、全国的に医療型障害児入所施設は空きのない状況である上、全国に135ケ所(平成30年4月現在:公益社団法人日本重症心身障害福祉協会の施設一覧参照)しかありません。そのため、退院と同時に入所することが困難である一方、家族自身が子どもと自宅で暮らしたいという希望を持ち、自宅を選択することもあります。

 

自宅で過ごす医療的ケア児とその家族を支えていくために、どんなサービスがあるの?

 

医療・介護におけるサービス

まず、在宅で医療的ケア児を支えていくために、家族はどんなケアを行っているかというと、以下のケアが挙げられます。

 

 

家族が行う医療的ケア児のケア具体例

・吸引(痰・唾液等)

・経管栄養(胃ろう・腸ろう・鼻腔等)

・吸入(ネブライザー等)

・人工呼吸器の管理

・酸素療法の管理

・パルスオキシメーターの管理

・気管切開部の管理

・導尿の管理 

 

これらを家族だけで担っているケースが多く、ほぼ24時間の看護が強いられるため、慢性的な寝不足や疲労、緊張感が蓄積し、家族共倒れになってしまう可能性もあります

現在、児童福祉法のサービスとして医療型短期入所施設があります。このサービスを利用することで家族の一時的な休息が見込まれますが、医療的ケア児のケアは1人1人異なるため、利用を始める前に事業者と保護者でしっかりケアの方法を話し合い、納得のいくケアを提供できないと、預けている間の子どもが心配で余計に家族の疲労が増すことに繋がってしまう恐れもあります。

ご家族が短期入所を利用される場合はケアの方法を記したノートのようなものを事業者と共有することをお勧め致します。

 

発達・療育におけるサービス

医療的ケア児は自宅で過ごす時間が長いと、同年代の友人と遊んだり、交流する機会といった多様な環境に触れる機会が少なくなり、社会経験が乏しくなってしまい、年齢に応じた成長や発達が阻害されてしまう可能性もあります

自宅や学校以外に過ごす場所として、医療型児童発達支援放課後等デイサービスがあります。しかし、児童発達支援や放課後等デイサービスを提供する事業所は増えてきてはいますが、医療的ケアに対応できる看護師がいる事業所はまだまだ少ないのが現状です。

医療的ケア児の発達療育に不安のあるご家族は障害児相談支援を提供している事業所に相談し、看護師のいる事業所を紹介して頂き、見学に行くことをお勧め致します。

 

医療的ケア児を地域で支えていくための課題

 

現在の児童福祉法においては地域で支えていくために以下のような条文が規定されています。

 

 

児童福祉法

56条の6 2項 地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 

 

各地で取り組みが進められているが、医療的ケア児の数は平成18年から平成28年の間で約2倍(平成29年度厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究」参照)となっており、地域における支援体制の確立が急がれています。

 

以下の課題が挙げられます。

 

<発達・療育>

・日中を過ごす通いの場の不足

・生活環境が家庭と学校に限定

 

<医療・介護>

・家族の看護を担う心身の疲労

・きょうだい児の育児、家族自身の通院等による家庭環境の悪化

・18歳を過ぎた時の障害福祉サービス

 

<保育・教育>

保育・教育機関における医療的ケアに対応できる体制の不備

 

参照:「医療的ケアが必要な子どもと家族が、安心して心地よく暮らすために」ー医療的ケア児と家族を支えるサービスの取組紹介ーに関する報告書(平成30年12月19日厚生労働省報告)

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