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医療的ケア児の支援③ 〜医療の視点から〜

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今回は医療的ケア児を地域で支援していくために、医療の視点からの現状と課題についてまとめています。

 

医療的ケア児はどんな医療サービスを受けることができるの?

 

 

主に以下のサービスを受けることができます。

・訪問看護
・訪問診療
・往診

 

訪問看護に関しては看護師、訪問診療・往診はかかりつけ医が行います。
訪問看護の利用を例に挙げると、酸素の吸入・痰の吸引等の医療的ケアに加え、人工呼吸器等の医療機器の管理、育児に関する相談等を技術的な視点から支援にあたることが期待されています。
利用時間は30〜90分で週3回まで利用できますが、重症心身障害児にあたる場合は毎日利用されるケースもあります。

 

 

ちなみに医療的ケア児が医療サービスを利用すると、利用料ってどうなってるの?

 

医療サービスの利用料は3割負担が原則です。ただし、5歳以下の場合は2割負担が原則となります。

医療的ケア児が医療サービスを受けるのに忘れてはならないのが、医療費助成制度自立支援医療です。

医療費助成制度

医療費助成制度は各自治体が提供している子どもや障害者が医療費を安く抑え、家計の負担を軽減する目的で実施している制度です。
利用要件は各自治体によって異なりますので、利用を検討する場合は各自治体にお問い合わせ下さい。

 

自立支援医療

自立支援医療は障害者総合支援法に定められています。

 

障害者総合支援法
5条24項 この法律において「自立支援医療」とは、障害者等につき、その心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めるものをいう。

 

合わせて障害者総合支援法の政令と厚生労働省令に加え、身体障害者福祉法と施行令を参照すると、

障害者総合支援法施行令
1条の2 法第5条第24項の政令で定める医療は、次に掲げるものとする。
一 障害児のうち厚生労働省令で定める身体障害のある者の健全な育成を図るため、当該障害児に対し行われる生活の能力を得るために必要な医療(以下「育成医療」という。)
二 三 省略

 

障害者総合支援法施行規則
第六条の十七 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令第一条の二第一号に規定する厚生労働省令で定める身体障害は、次に掲げるものであって、これらの障害に係る医療を行わないときは、将来において身体障害者福祉法別表に掲げる障害と同程度の障害を残すと認められ、及び確実な治療の効果が期待できる状態のもの(内臓の機能の障害によるものについては、手術により、将来、生活能力を維持できる状態のものに限る。とする。
一 視覚障害
二 聴覚又は平衡機能の障害
三 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
四 肢体不自由
五 心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこう若しくは直腸、小腸又は肝臓の機能の障害
六 先天性の内臓の機能の障害(前号に掲げるものを除く。)
七 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害

 

身体障害者福祉法 別表
一 次に掲げる視覚障害で、永続するもの
1 両眼の視力(万国式試視力表によつて測つたものをいい、屈折異常がある者については、矯正視力について測つたものをいう。以下同じ。)がそれぞれ〇・一以下のもの
2 一眼の視力が〇・〇二以下、他眼の視力が〇・六以下のもの
3 両眼の視野がそれぞれ一〇度以内のもの
4 両眼による視野の二分の一以上が欠けているもの
二 次に掲げる聴覚又は平衡機能の障害で、永続するもの
1 両耳の聴力レベルがそれぞれ七〇デシベル以上のもの
2 一耳の聴力レベルが九〇デシベル以上、他耳の聴力レベルが五〇デシベル以上のもの
3 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が五〇パーセント以下のもの
4 平衡機能の著しい障害
三 次に掲げる音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害
1 音声機能、言語機能又はそしやく機能の喪失
2 音声機能、言語機能又はそしやく機能の著しい障害で、永続するもの
四 次に掲げる肢体不自由
1 一上肢、一下肢又は体幹の機能の著しい障害で、永続するもの
2 一上肢のおや指を指骨間関節以上で欠くもの又はひとさし指を含めて一上肢の二指以上をそれぞれ第一指骨間関節以上で欠くもの
3 一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの
4 両下肢のすべての指を欠くもの
5 一上肢のおや指の機能の著しい障害又はひとさし指を含めて一上肢の三指以上の機能の著しい障害で、永続するもの
6 1から5までに掲げるもののほか、その程度が1から5までに掲げる障害の程度以上であると認められる障害
五 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害その他政令で定める障害で、永続し、かつ、日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるもの

 

 

身体障害者福祉法施行令
第36条 法別表第五号に規定する政令で定める障害は、次に掲げる機能の障害とする。
一 ぼうこう又は直腸の機能
二 小腸の機能
三 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能
四 肝臓の機能

 

医療的ケア児が自立支援医療を利用するのに、障害者総合支援法の施行規則だけでなく、身体障害者福祉法も参照する必要があります。

これらを簡単に説明すると、医療を受けないと、身体障害者福祉法に規定される障害を残す可能性のある医療的ケア児が自立支援医療の育成医療を利用することができます。

 

医療的ケア児が在宅で生活していくための医療課題って何?

 

以前の投稿でもお伝え致しましたが、在宅における医療的ケアは家族が行っています。
ほぼ24時間の看護になるため、医療的ケアの提供が可能な短期入所サービスを始め、小児在宅医療体制の構築が必要です。

 

関連記事:医療的ケア児 〜子どもと家族を地域で支えていくために〜

 

しかし、小児を対象とした訪問看護等のサービスは地域によって十分ではありません。その理由の1つとして医療ケアの連携における課題があります。

そのために、2020年よりサービスの開始が予定されている医療的ケア児等情報共有システムの導入が期待されています。

この医療的ケア児等情報共有システムには以下の将来が期待されます。

 

・基本情報・ケア情報の共有
・診察記録の共有
・救急医療情報の共有
・ケア状況等の共有

 

しかし、医療的ケア児等情報共有システムの課題はセキュリティの充実、通信システムのコストといったものが挙げられます。

 

参照:医療的ケア児等医療情報共有基盤構築に係る調査研究一式 報告書(厚生労働省報告)

医療的ケア児等情報共有システム(リーフレット)

 

障害福祉サービス事業者の方へ

 

この医療的ケア児等情報共有システムは既存の障害福祉サービス事業の利用者情報共有や個別支援計画の作成に応用できるものではないでしょうか?
医療的ケア児の受入を予定していない事業者であっても、このような情報共有システムの導入を検討することをお勧め致します。

参照:「医療的ケアが必要な子どもと家族が、安心して心地よく暮らすために」ー医療的ケア児と家族を支えるサービスの取組紹介ーに関する報告書(平成30年12月19日厚生労働省報告)

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