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法定後見と任意後見〜成年後見制度〜

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成年後見制度とは

 

 

認知症、知的障害、精神障害等により判断能力が不十分になってしまった方を法的に支援する制度であり、2000年4月1日より始まりました。

法定後見と任意後見に分かれます。

 

下記が簡単な違いです。

法定後見 任意後見
判断能力がに低下している場合に利用する。 将来、判断能力が低下した時に備える

 

 

 

法定後見にはどんな種類があるの?

 

 

類型 対象
後見 判断能力が全くない場合
保佐 判断能力が著しく不十分な場合
補助 判断能力が不十分な場合

 

 

後見・保佐・補助は家庭裁判所の審判により決定されます。

審判の結果により後見の利用ができない場合は審判の終了から2週間以内に家庭裁判所に対して不服申立てを行うことができます。

 

 

 

任意後見にはどんな種類があるの?

 

 

種類 内容
移行型 見守り契約を締結

判断能力が低下してから、任意後見に移行

将来型 判断能力が低下してから、任意後見に移行

※見守り契約は締結しません。

即効型 任意後見契約を締結(ご本人に判断能力の低下が見られ始めている)

任意後見の申立てを行う形式

 

 

 

どうやって成年後見制度の利用ができるの?

 

 

種類 利用の流れ
法定後見 家庭裁判所に申立て

(本人、配偶者、4親等内の親族、親族がいない場合は市町村長)

家庭裁判所による調査(ご本人、後見人候補者、申立人)

鑑定(ご本人に判断能力がどの程度あるのかを医学的に判定)

※申立時に医師の診断書等を提出し、家庭裁判所が鑑定が不要と判断した場合は割愛される。

審判(ご本人の後見の利用の可否を通知)、後見人の選任

※終了後2週間以内に不服申立てがない場合、審判が正式に確定

後見登記(東京法務局にて後見登記)

 

申立から審判まで約1ヶ月、後見登記の完了に約1ヶ月要するため、後見人が確定するまで約2ヶ月を要します。

 

不服申立はあくまで後見の利用の可否に対するものであって、後見人の選任に対するものではありません。

 

費用一覧(後見開始の場合)

・申立手数料:800円(収入印紙)

・登記手数料:2,600円(収入印紙)

・郵便切手:合計5,060円

→500円×6枚、82円×20枚、50円×5枚、10円×15枚、2円×10枚

・書類取り寄せ費用:合計約2250円

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)→1通450円
住民票→1通300円
登記されていないことの証明書→1通300円(収入印紙)

土地・建物登記事項証明書→1通600円
固定資産税評価証明書→土地1年度につき3筆ごと、家屋1年度につき3棟ごとに300円〜

・診断書依頼料:医師に確認

・預金残高証明書:金融機関に確認

 

任意後見 公証役場にてご本人と後見受任者で任意後見契約を締結

公正証書で任意後見契約書を作成します。

公証人が契約書を作成後、ご本人・後見受任者で内容を確認し、契約書に署名・押印

公証役場により登記手続き。

契約書の内容に基づき、契約が発効。

判断能力が低下(認知症等)が見られた場合、医師より診断書を取得し、家庭裁判所に申立て及び面談

任意後見監督人が選任され、任意後見がスタート

※任意後見監督人は法定後見と同様、監督人の希望を聞かれることもあるが、希望通りになるとは限りません。

 

※法定後見と異なり、後見受任者の調査は割愛されます。

 

費用一覧

・公証役場の手数料:1契約につき11,000円

・法務局に納める印紙代:2,600円

・法務局への登記嘱託料:1,400円

・書留郵便料:約540円

・正本謄本の作成手数料:1枚250円×枚数

・判断能力が低下した際の申立費用:法定後見と同じ

 

 

 

 

 

法定後見と任意後見の違いって何?

 

 

法定後見 任意後見
家庭裁判所が後見人を決定する。

 

後見人の候補者の申立ては可能であるが、希望通りになるとは限りません。

特にご本人の資産が多い場合や後見人の候補者が高齢の場合などには弁護士、司法書士、社会福祉士と行った専門職が後見人又は後見監督人に選任される可能性がある。

ご本人があらかじめ契約で後見人を決めることができる。
代理権、取消権、同意権が付与される。

 

判断能力の低下した本人が高額の買い物をした場合に後見人による取り消しが可能。

代理権のみ付与される。

 

契約で定めていない内容まで任意後見人の権限が及ばない。

判断能力の低下した本人が高額の買い物をした場合に後見人による取り消しが不可能。

※詐欺等により財産の減少が著しい場合は法定後見への移行が可能。

不動産の処分に家庭裁判所の許可が必要。

 

老人ホームの入所が決定し、暮らしていた住居について家庭裁判所の許可が無ければ、住居を売却することができない。

マンションやアパートの解約にも家庭裁判所の許可が必要。

不動産の処分に家庭裁判所の許可が不要。

 

 

 

 

成年後見の現状

 

 

判断能力の低下により、成年後見を利用する方は増えています。

認知症になったご本人の家族が後見人になるケースが多かったのですが、後見人の財産の不正利用が増えている現状が多く、最近は専門職が後見監督人に選任されているケースが増えています。

この財産の不正利用ですが、例えばご本人と家族が同居している家を改築するための資金にご本人の財産からも使用した場合は不正利用になります

「ご本人」の保護という視点からご本人のための使用以外は認められていないという現状もあるので、後見人に就任した方は財産の使用についてとてもシビアになる必要があります。

こういった理由から家族ではなく、専門職が後見人として選任されているケースが増えているようです。

 

当事務所ではご家族に認知症の診断を受けた方や障害を抱えた方がおり、今後の生活に不安がある方のご相談もお待ちしております。

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