就労継続支援B型の利用者を募集するために注意したい点 〜就労アセスメント(直Bアセスメント)の観点から〜
就労継続支援B型の対象となる利用者
年齢や体力の面で一般企業での雇用が困難となった障害者や50歳以上の方、障害基礎年金1級の受給者が利用することができます。
その他で就労継続支援B型の利用を希望する場合は就労(直B)アセスメントを受けて、就労面の課題等を把握した上で利用することが「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項についての一部改正について」(障発0331第21号 平成27年3月31日 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部長通知)より決定されました。
この就労アセスメントは特別支援学校の卒業生や今まで就労経験の無かった障害者が主に受けています。
就労(直B)アセスメントを行う理由
就労アセスメントが導入された経緯は特別支援学校の半数以上の卒業生が卒業後に障害福祉サービスを利用していたり、就労継続支援B型から一般就労に移行する利用者がほとんどいないといった現状があり、就労継続支援B型の新規利用者に対する長期的な支援を行っていく上で、一般就労への移行の可能性も視野に入れたニーズ把握のために実施されました。
しかし、障害者の可能性が考慮されずに就労継続支援B型の利用を前提とした形式的なアセスメントが実施されていたり、アセスメントの結果が利用する事業所に引き継がれていないなど、趣旨が周知されていない現状もあります【就労移行支援及び就労継続支援(A型・B型)における適切なサービス提供の推進について
(平成28年3月30日)(障障発0330第1号)(各都道府県・各指定都市・各中核市障害保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)参照】。
就労継続支援B型のみの障害福祉サービス事業者は特別支援学校の卒業生を利用者として募集することはできないか?
特別支援学校の生徒で就労継続支援B型の利用を希望している場合であれば、在学中に就労アセスメントを受けている可能性が高いです。
ただ、就労アセスメントは就労移行支援事業所が行っているため、就労移行支援事業所が就労継続支援B型の指定を受けており、同時に利用者の募集をしている場合、そのまま利用するという流れになりやすいです。
ですが、就労アセスメントを行った就労移行支援事業者が就労移行支援単独で実施していたり、併設する就労継続支援B型の利用定員が一杯である場合、利用者及び利用者家族は他の就労継続支援B型を探すことになるので、特別支援学校の卒業生の募集を諦める必要はないです。
特別支援学校のイベント(学園祭や卒業生の進路先募集等)に参加することで特別支援学校と友好な関係を築いておいて損になることはありません。
就労継続支援B型を提供する障害福祉サービス事業者が就労移行支援事業も始める場合
もし就労アセスメントの入口として今後就労継続支援B型の利用者をどんどん受け入れていきたい場合であれば、一つの手段だと思います。
しかし、就労移行支援事業は就労アセスメントだけではなく、今後一般就労を目指していく特別支援学校の卒業生などの受け皿ともなっています。
そのため、一般就労の希望者、就労継続支援B型の希望者の両方を受け入れる必要があるため、利用者募集のために始めるのであれば、賛成できません。
利用者募集を目的とするのであれば、新たに就労移行支援事業を始めるのではなく、就労アセスメントを実施している事業所や障害者相談の受け皿となっている相談支援事業所と連携して利用者の募集をしていく方が現実的です。
就労継続支援B型の事業しかやっていない事業所であっても今後他の事業所と連携していくことで利用者の確保がしやすくなっていくでしょう。
事業者同士で利用者を奪い合うのではなく、お互い助け合う観点で就労継続支援B型事業を盛り上げていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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