障害福祉サービス事業の災害対応マニュアルに必要な項目 〜施設内の安全化〜
災害対応マニュアルを作成するために、必要な項目
・施設内の安全化
・防災教育及び訓練の実施
・災害発生時の対応
今回は施設内の安全化を図る際の注意点についての記事です。
施設内の安全化
災害が発生した時に自らの安全の確保が困難な利用者を守るために、いざという時に備えて安全な施設環境を整備しておくことが必要です。
具体的にどんな整備を備えておけばいいか、わからない事業者もいるかと思います。埼玉県で出ている災害対応マニュアルでは以下が挙げられております。
・施設の耐震化対策
・施設の立地環境と風水害の予測、予防
・非常用自家発電装置等の設置
・避難経路の確保
・屋内・屋外の安全対策
施設の耐震化対策
震災時における建築物の安全を図るために、耐震診断、耐震改修を専門家に依頼することをお勧め致します。
最近は2011年の東日本大震災という大きな震災も起こっているため、建築基準法の改正により耐震基準がより高くなっている傾向があります。
より正確な耐震基準を把握するためには、建築士に依頼することが望まれます。
施設の立地環境と風水害の予測、予防
風水害や土砂災害等は、立地している地盤や地形等の立地環境から予測することが以下の行政が作成した図面によりある程度可能になります。
台風や集中豪雨等による水害の予測→市町村が作成する「洪水ハザードマップ」
土砂災害警戒区域→市町村が作成する「土砂災害ハザードマップ」
今でこそ障害福祉サービス事業者は増加し始めていますが、30年以上前は地域の理解が得られずに街の外れに設置せざるを得なかった事業者もいます。そのような事業者はハザードマップで危険と指定されている地域で経営を余儀なくされています。
ハザードマップの確認はこれから立ち上げを視野に入れている事業者は勿論、既存の事業者も必ず実施しましょう!
非常用自家発電装置等の設置
停電になってしまうと、以下のケースで事故が起こる可能性があります。
・人工呼吸器や喀痰吸引の必要な利用者の緊急時対応ケース
・真夏・真冬の最中、冷暖房が使用できず、電話も使用できないケース
・趣味でテレビやラジオを聞くことができない方がストレスを発散できないケース 等
非常用自家発電は未然に事故を防ぐためにも新たな情報を得るためにも、とても大切です。
避難経路の確保
前回の防災計画でも述べましたが、災害時の居室から屋外の集合場所等に至る避難経路を定める必要があります。
この経路は地図を作成し、廊下等誰でも確認できる場所に掲示し、従業員は毎日確認し、避難経路に障害物が置かれていないか等しっかり確認していきましょう。
屋内・屋外の安全対策
以下の対策が挙げられます。
①窓ガラス等の対策
・ガラスについては、飛散防止フィルム等で補強
②備品等の転倒防止対策
・机・ロッカー等の大型備品類は金具等で床や壁に固定
・収納スペースの扉の開放防止(収納物の落下を防ぐため)
③天井からの落下物対策
・照明器具等の取付状態の点検、落下防止
④安全スペースの確保
・多目的室、広い廊下等
⑤地下室の安全確保
・「冠水で水が入り込む」、「水圧で避難口から出られない」等危険なため、避難場所としない
⑥屋外対策(門、塀、工作物等の倒壊防止)
・門、塀等の補修
・物置、ガスボンベ等の固定、補強
・避難経路に設置されている自動販売機等は転倒防止策を施す
・排水溝の点検、清掃
・鉢植え、物干し等の飛散防止
最後に
施設内を安全に保つために、意識することをまとめました。
これらは障害福祉サービス事業の従業員全員が意識する必要のあることですので、周知徹底を怠らないようにしていきましょう。
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